らふ梅

庭に咲く臘梅です。19年前に、一本の枝の苗木を植えて、花を待つこと十年ぐらい。ようやく花がたくさん咲きはじめました。
今では、丈も高くなり、高い枝に花をつけ、あのふくよかな香りが遠ざかり。
裏山のヒヨドリが花を食べによく来ています。
  
   
   遠ざかる臘梅の香の落ちてくる    里美

   臘梅やぱくんと鵯の澄ましがほ     

   かなしみて臘梅の香につきあたり    

終いの句は、96歳の山口青邨先生がお亡くなりになった12月の年が明けて、鎌倉で。1989年作。
もう27年前・・・
青邨先生に6年ほど、句会で毎月ご指導を賜りました。杖もつかず、東京女子大の小さな句座まで通ってくださいました。
その先生の意気込みに、私も中途半端な句は句会に出せない・・と思いました。
句会の前日、藤沢から井の頭公園まで出かけて作った句です。

  やはらかに水を押しゆく鴨の胸   里美
                 (『あかり』)

この句を、句会で青邨先生に特選で評していただいたのが、青邨先生とのお別れとなりました。
お話はしっかりと普段どおりでしたが、句座から玄関まで、青邨先生の手を引かずにはいられないほどでした。
タクシーに乗り込まれた先生が、さっと手を上げられたお姿が目に焼き付いています。

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