文語文法攻略法 角川「俳句」4月号

桜のときとなりました。
庭の実生の桜の若木に、蕾が去年より増えて楽しみにしています。
たぶん裏山の山桜の若木です。

角川の『俳句』四月号に俳人のための文語文法攻略法として、動詞の活用の要点をまとめました。
簡単手短にすっきり理解できるように、まとめたつもりです。
若井新一先生から「よくまとめたね、ありがたい、貼っておくよ」と
お褒めのお電話をいただきました。
ほっと一息です。
片山由美子先生から「とてもわかりやすく、スッキリまとめられていて120点では!」
とメールをいただきました。
うれしい・・・
片山先生には、「蹴る」の活用についてご助言を賜っていました。

ご活用いただければ幸いです。

花あれば西行の日とおもふべし  角川源義

    ☆

    ☆

    ☆

高見順賞授賞式

つい最近、『高見順日記』を図書館で借りて読んでいました。

すると、 第47回高見順賞を友人の詩人、齋藤恵美子さんの
『空閑風景』が受賞されました。
その贈呈式とお祝い会に出席しました。
齋藤さんは、『最後の椅子』で駿河梅花文学大賞を
受賞され、
十数年前に沼津の大中寺で出会いました。
老人ホームで働かれた経験をもとにされた壮絶な詩集でした。
その後、『ラジオと背中』は戦争をテーマに書かれ、芸術選奨新人賞、地球賞を受賞されています。
齋藤さんの主題を深く掘り下げられる詩集に感動し、いつも圧倒され、私は彼女を尊敬しています。
今回の『空閑風景』も圧巻でした。
詩人の方々の中でも難解と評される一方、
選考委員の野村喜和夫氏や開会の挨拶をされた吉増剛造氏は絶賛されていました。
斎藤さんの受賞のお言葉や杉本真維子氏のご祝辞に
『空閑風景』の解釈があり、
私自身の本書の衝撃の中身も明らかになりました。齋藤さんの受賞スピーチは詩人の気迫がありました。

詩人の小池昌代さんから花束贈呈です。

               齋藤さんと写真を。

詩誌『ラ・メール』で20代に知り合った、小池昌代さん、岬多可子さん、
中本道代さん、そしてお世話になった高橋順子先生とお話しもでき、感慨深いひとときでした。 

 
  ☆

  ☆

初富士 2017

あけましておめでとうございます。

裏山に登って見た初富士です。
左下のブルーは相模湾です。
眺める隣には、五人の子供を連れたご夫婦がいらっしゃいました。

  
  初富士やずんずん赤子這ふ渚   里美
             (『あかり』)

かつての砂浜での若き私たち。
この赤子は今やサラリーマンとなって、寝正月です。

新年もみなさまのますますのご多幸をお祈り申し上げます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

              ☆

              ☆

              ☆

ぬまづ文芸賞 随筆部門入選 & 鎌倉全国俳句大会 黒田杏子賞 

あたたかい日和も明日までとか。
みなさま、お元気でいらっしゃいますか。

こちらの近況報告など。
角川の『俳句』12月号に、「山口青邨の名句の省略」を書きましたので、ご一読いただければ幸いです。
青邨先生の名句には、ほんとうにうっとりします。

こちらは、名句にはほど遠いのですが、
先日、鎌倉全国俳句大会の当日句の選で、黒田杏子賞をいただいてしまいました。

 祖母編んで母の編みたすショールかな   里美

このことをわたしの母に伝えたのですが、すこしは喜んでくれたかな?
朝日カルチャーセンターの受講生の方がたも入選されていて、うれしいことでした。

ぬまづ文芸賞の随筆部門で拙文「眞鍋呉夫先生の晩年」が入選も。
沼津は、駿河梅花文学大賞でご縁があったので、以前書いたものを出してみました。
久しぶりに沼津の大中寺へ伺いました。
お庭の小菊が、まぶしいほどの盛りでした。
   

                   ☆

                   ☆

                   ☆

三笠宮さまご逝去

百歳の三笠宮崇仁さまがご逝去された。
謹んで哀悼の意を捧げ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

三笠宮さまは、80代後半のころ、東京女子大学の白塔会という句会にご参加くださっていた。
黒田杏子先生のご指導の句会である。
三笠宮さまは、その昔、東京女子大で古代オリエント史の授業をされていたご縁があった。

その20名ぐらいの句会で、数年、句座をご一緒させていただいた。
いつも名句をお出しになられ、黒田先生はじめ一同、感動していた。
三笠宮さまは、私たちにとても丁寧に気さくにお話しくださった。
和やかな句会のひとときは、楽しく過ぎていった。
台風の日の句会にもご参加くださるご熱心ぶりだった。

三笠宮さまが館長を務められる、三鷹の中近東文化センターで、桜の吟行俳句会を催してもくださった。
百合子さまから、和菓子を賜り、センターをかこむ桜が満開の句座で桜尽くしの俳句会は、この上なかった。
句会の前にそれぞれ、近くのICUのキャンパスの桜をめぐる吟行をした。
早くも、桜が舞い始めていた。
一陣の風に大樹の桜が降りしきるそのなかに、三笠宮さまが佇まれていらっしゃるお姿を遠くより拝見した。

  らんらんの櫻の雪を殿下かな    里美
               (『家族』)

  ふりしきる花の光やアラベスク   里美
               (『家族』)

三笠宮さま、妙なる素敵なお時間を賜りまして、心より御礼を申し上げます。

                  ☆

                  ☆
 

                  ☆

ねぶた

ねぶた祭に行きました。
道路わきにパイプ椅子が並べられ、仕事のためか、運よく最前列の席に座らせていただきました。
隣の席は、異国の方々。青森は、大型外国船の停泊地で、船が着くと、1400人ほどの外人が街にあふれ、ここはどこ?というにぎわいになるそうです。


近くで見ると、この細かく美しい彩色です。


後ろも、また魅せるのです。

県のねぶた、企業のねぶた、町内会のねぶた、自衛隊のねぶた、幼稚園のねぶた、学校のねぶた・・・様々な団体ごとの集団がねぶたの一団を作り上げていました。
太鼓、笛、鉦が鳴り響き、跳人(はねと)の子供から高齢者までが踊り、扇子持ちがねぶたを操り、「らっせらー」と掛け声があがります。
「がんばろう東北!」の掛け声も。

青森の熱いエネルギーに、「らっせらー!」と返して揺さぶられ続けました。
青森の魅力に引き付けられました。

                 ☆

                 ☆

                 ☆

ほととぎす

          
7月。ほととぎすの啼く声に耳を澄ます。
この夏館は、鎌倉の古賀邸。築100年の洋館がレストランになった。

瀟洒なレストランに、バングラデシュの事件を思い、深く哀悼したい。
大学で途上国開発の開発経済学を専攻していたので、この道の関係者の熱い志が偲ばれる。
先生、先輩、友人、会社の先輩、私の知人の多くの方々が尽力している。
みなさま、人生を捧げているほどなのに。。。

 
  きのふより空深々とほととぎす   里美
                 (『家族』)

            ☆

            ☆

            ☆

薔薇守 

長谷の鎌倉文学館です。

平日の15時ごろですが、薔薇園は大賑わいでした。

偶然、薔薇越しに、俳句仲間のTさんに出会いました。美しい奥様とご一緒です。

Tさんが「妻が、」とよくおっしゃるのも、もっともと納得しました。

  薔薇守の子を守るやうに蔭に立ち   里美 

                (『家族』)

2009年にここで詠んだ句ですが、薔薇守の方はお元気そうでした。

ちょうど、上の写真の「恋心」という薔薇が見ごろで、暫しうっとり。

館内では、萩原朔太郎展を開催中。

朔太郎はなんと、Tさんの高校の先輩だそうです。

 

朔太郎の言葉と人生にも浸りました。

  旅上

ふらんすへ行きたしと思へども

ふらんすはあまりに遠し

せめて新しき背広をきて

きままなる旅にいでてみん。

汽車が山道をゆくとき

みづいろの窓によりかかりて

われひとりうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめ

うら若草のもえいづる心まかせに。

         『純情小曲集』より

      ☆

      ☆

      ☆

五月の江ノ島

今日は、近所の森を抜けて、海辺まで。
砂浜をのんびりと歩きました。
浜には若布がたくさん打ち上げられていました。

朝日カルチャーセンター湘南が「初夏の江の島吟行会」を企画してくださいました。

日時:5月27日 (金)

ゆっくり江の島を吟行して、句会をいたします。

幼少時から、なじみの江の島。なつかしさと新しさで今も魅力的な島です。
よろしければ、ご一緒しましょう。
吟行は初めてでも、大丈夫です。

              ☆

              ☆

              ☆

『幼なじみ』浅井敏子句集

この句集は、「藍生」の仲間の浅井敏子さまの第一句集です。
句集名は、『幼なじみ』。
浅井様ご夫妻は、なんと小学一年生の同級生なのです。今もなかよしご夫婦です。

句集の帯にある作品です。

  のどけしや地球の上に佇つをんな  敏子

この作品に対して、黒田杏子先生は、

地球の上に佇つをんな即ち作者である浅井さんでしょう。こんな句を詠む女性はめったにいません。しかし、考えてみますと、この句に作者浅井敏子の本質が出ているのだという感じもしてきます。素直かつのびやかな人柄であることが分かります。

と序文で述べています。

熊本地震の続く今、この作品をあらためて読むと、感慨深くなります。
地球の揺るぎないことが、どんなにありがたいことであるか・・・
浅井さまは、ご自身のお母さまを震災でなくされておられるそうです。
そのお悲しみの〈地球の上〉なのかもしれません。

   道問へば立ちて秩父の草取女   敏子
   千歳飴りすの横切る裏通り
   まなこ閉ぢゐる鳩もゐて冬はじめ
 
爽やかな力作の並ぶ『幼なじみ』(ふらんす堂)。
私は「メルヘンと孤愁」という跋文を書かせていただきました。   

           ☆

           ☆

           ☆