戌笑う

謹んで新年のお慶びを申し上げます

戌笑う は株式相場の格言です。

株とは無縁の生活ですが、

ちいさなほほえみやおなかの底からの大笑いを

大切にこつこつと積みためてゆきたいです。

みなさまのますますの御多幸のほほえみをお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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わたしの代表句 2017

芭蕉が凡兆に「一世のうち秀逸三五あらん人は作者、十句に及ぶ人は名人なり」と語った言葉がある。

この言葉に対して、芥川龍之介は、

名人さへ一生を消磨した後、十句しか得られぬと云ふことになると、俳諧も亦閑事業ではない。しかも芭蕉の説によれば、つまりは「生涯の道の草」である! 

                   

と『芭蕉雑記』に述べる。

そうか、生涯の道の草であるから、なるほど吟行は道草の風情である。

ときどき、「あなたの代表句を十句」と求められる。

掲載は光栄なことであるが、十句は緊張する数である。

先日、わたしが角川の「現代俳人名鑑」に掲載した十句は以下である。

  濡燕玉砂利深くなりゆくも     『螢の木』

  十月の柳の下に櫂ひとつ      『螢の木』

  城壁に薔薇の実紅く人とゐる    『螢の木』 

  月の海乳張る胸のしびれけり    『あかり』

  白梅や生れきて乳を強く吸ひ    『あかり』

  まつすぐに汐風とほる茅の輪かな   『家族』

  露の玉強き光となつて消ゆ      『家族』

  あはうみの汀かがやく梅雨入かな   『家族』

  大切なもの見えてくる螢かな     『家族』 

  野葡萄のはや海のいろ空の色     「藍生」

この十句を超える俳句を、生涯の道草をしながら書きすすめよう!

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鎌倉さんぽ 「NHK俳句」10月号

「NHK俳句」の10月号に、「旅を詠む 鎌倉さんぽ」として、記事を書きました。

7月7日の取材でした。

NHK出版の二人の編集者様、カメラマンの板野賢治氏と鎌倉を巡りました。

手配車のドライバーの方は、NHKの大河ドラマ「直虎」にご出演のかっこいい俳優さんでした。

一日でこんなに鎌倉を廻れるのかと驚くほど、方々を訪ね、いろいろな発見がありました。

編集者の方からは楽しかったとご感想をいただきました。

四十年ほど住んでいるのに、鎌倉を不勉強でした。鎌倉を学ぶよい機会になりました。

まとめた拙い記事ですが、板野氏の写真が素晴らしいので、ぜひご覧くださいませ。

     素足なり海より生れきし心地   里美

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祇園祭 吉符入り

7月1日、京都で祇園祭がはじまります。

この初日を吉符入り(きっぷいり)といって、八坂神社に山鉾町の関係者が集まり、神職のお祓いを受けて祭期間の無事を祈願します。

写真は、お祓いが済んで、八坂神社の本殿からあらわれたお稚児さんです。

お稚児さんは、「神の使い」とされ、祇園祭の最大の見せ場の山鉾巡行の先頭を行く長刀鉾で、注連縄を切って巡行をスタートさせます。

皆の眼が、彼に集中しました。報道のカメラマンをはじめ、お稚児さんを追いかけます。

白塗りの端正なお顔立ち。かなりの高さのぽっくり下駄です。

そばで、お稚児さんのお母さまと思われる方が、心配そうに見守っていらっしゃいました。

   かつと朝日や吉符入お稚児さん   里美

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鎌倉俳句&ハイク年間大賞

ご無沙汰いたしました。

みなさま、お元気でいらっしゃいますか。

当方はつつがなく過ごしておりました。

朝日カルチャーセンター湘南の私の俳句講座にご参加してくださっている、水野秋夫氏が、平成28年度の鎌倉俳句&ハイクの年間大賞の最優秀賞をご受賞されました。

  波音に春を乗せくる由比ヶ浜    水野秋夫

詩情たっぷりの素敵な作品です。

写真は鎌倉文学館の庭で行われた受賞式の記念撮影です。

鎌倉俳句&ハイクは、鎌倉の観光スポットに置かれている俳句ポストに投稿された俳句作品の中から選出されます。

選者は、星野椿先生と星野高士先生です。

年間9700句ほどの投稿の中から、一等賞ですから、水野さま、おめでとうございます!

ご選評で、星野椿先生は、「由比ヶ浜というと、私どもの暮らしていたところですから思いの強い地名です。

虚子の〈浪音の由比ヶ浜より初電車〉句がありますが、〈春を乗せくる〉という詩心は素晴らしいと思いました」

と褒めてくださいました。

水野氏は、日々、俳句に勤しんでおられるようです。私の俳句講座でも、毎回、名句をご披露されます。

私のつたない講評を聴くのが、至福のときです、とおっしゃってくださいます。

水野さまのますますのご健吟をお祈り申し上げます。

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文語文法攻略法 角川「俳句」4月号

桜のときとなりました。
庭の実生の桜の若木に、蕾が去年より増えて楽しみにしています。
たぶん裏山の山桜の若木です。

角川の『俳句』四月号に俳人のための文語文法攻略法として、動詞の活用の要点をまとめました。
簡単手短にすっきり理解できるように、まとめたつもりです。
若井新一先生から「よくまとめたね、ありがたい、貼っておくよ」と
お褒めのお電話をいただきました。
ほっと一息です。
片山由美子先生から「とてもわかりやすく、スッキリまとめられていて120点では!」
とメールをいただきました。
うれしい・・・
片山先生には、「蹴る」の活用についてご助言を賜っていました。

ご活用いただければ幸いです。

花あれば西行の日とおもふべし  角川源義

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高見順賞授賞式

つい最近、『高見順日記』を図書館で借りて読んでいました。

すると、 第47回高見順賞を友人の詩人、齋藤恵美子さんの
『空閑風景』が受賞されました。
その贈呈式とお祝い会に出席しました。
齋藤さんは、『最後の椅子』で駿河梅花文学大賞を
受賞され、
十数年前に沼津の大中寺で出会いました。
老人ホームで働かれた経験をもとにされた壮絶な詩集でした。
その後、『ラジオと背中』は戦争をテーマに書かれ、芸術選奨新人賞、地球賞を受賞されています。
齋藤さんの主題を深く掘り下げられる詩集に感動し、いつも圧倒され、私は彼女を尊敬しています。
今回の『空閑風景』も圧巻でした。
詩人の方々の中でも難解と評される一方、
選考委員の野村喜和夫氏や開会の挨拶をされた吉増剛造氏は絶賛されていました。
斎藤さんの受賞のお言葉や杉本真維子氏のご祝辞に
『空閑風景』の解釈があり、
私自身の本書の衝撃の中身も明らかになりました。齋藤さんの受賞スピーチは詩人の気迫がありました。

詩人の小池昌代さんから花束贈呈です。

               齋藤さんと写真を。

詩誌『ラ・メール』で20代に知り合った、小池昌代さん、岬多可子さん、
中本道代さん、そしてお世話になった高橋順子先生とお話しもでき、感慨深いひとときでした。 

 
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初富士 2017

あけましておめでとうございます。

裏山に登って見た初富士です。
左下のブルーは相模湾です。
眺める隣には、五人の子供を連れたご夫婦がいらっしゃいました。

  
  初富士やずんずん赤子這ふ渚   里美
             (『あかり』)

かつての砂浜での若き私たち。
この赤子は今やサラリーマンとなって、寝正月です。

新年もみなさまのますますのご多幸をお祈り申し上げます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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ぬまづ文芸賞 随筆部門入選 & 鎌倉全国俳句大会 黒田杏子賞 

あたたかい日和も明日までとか。
みなさま、お元気でいらっしゃいますか。

こちらの近況報告など。
角川の『俳句』12月号に、「山口青邨の名句の省略」を書きましたので、ご一読いただければ幸いです。
青邨先生の名句には、ほんとうにうっとりします。

こちらは、名句にはほど遠いのですが、
先日、鎌倉全国俳句大会の当日句の選で、黒田杏子賞をいただいてしまいました。

 祖母編んで母の編みたすショールかな   里美

このことをわたしの母に伝えたのですが、すこしは喜んでくれたかな?
朝日カルチャーセンターの受講生の方がたも入選されていて、うれしいことでした。

ぬまづ文芸賞の随筆部門で拙文「眞鍋呉夫先生の晩年」が入選も。
沼津は、駿河梅花文学大賞でご縁があったので、以前書いたものを出してみました。
久しぶりに沼津の大中寺へ伺いました。
お庭の小菊が、まぶしいほどの盛りでした。
   

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三笠宮さまご逝去

百歳の三笠宮崇仁さまがご逝去された。
謹んで哀悼の意を捧げ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

三笠宮さまは、80代後半のころ、東京女子大学の白塔会という句会にご参加くださっていた。
黒田杏子先生のご指導の句会である。
三笠宮さまは、その昔、東京女子大で古代オリエント史の授業をされていたご縁があった。

その20名ぐらいの句会で、数年、句座をご一緒させていただいた。
いつも名句をお出しになられ、黒田先生はじめ一同、感動していた。
三笠宮さまは、私たちにとても丁寧に気さくにお話しくださった。
和やかな句会のひとときは、楽しく過ぎていった。
台風の日の句会にもご参加くださるご熱心ぶりだった。

三笠宮さまが館長を務められる、三鷹の中近東文化センターで、桜の吟行俳句会を催してもくださった。
百合子さまから、和菓子を賜り、センターをかこむ桜が満開の句座で桜尽くしの俳句会は、この上なかった。
句会の前にそれぞれ、近くのICUのキャンパスの桜をめぐる吟行をした。
早くも、桜が舞い始めていた。
一陣の風に大樹の桜が降りしきるそのなかに、三笠宮さまが佇まれていらっしゃるお姿を遠くより拝見した。

  らんらんの櫻の雪を殿下かな    里美
               (『家族』)

  ふりしきる花の光やアラベスク   里美
               (『家族』)

三笠宮さま、妙なる素敵なお時間を賜りまして、心より御礼を申し上げます。

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