百歳の三笠宮崇仁さまがご逝去された。
謹んで哀悼の意を捧げ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
三笠宮さまは、80代後半のころ、東京女子大学の白塔会という句会にご参加くださっていた。
黒田杏子先生のご指導の句会である。
三笠宮さまは、その昔、東京女子大で古代オリエント史の授業をされていたご縁があった。
その20名ぐらいの句会で、数年、句座をご一緒させていただいた。
いつも名句をお出しになられ、黒田先生はじめ一同、感動していた。
三笠宮さまは、私たちにとても丁寧に気さくにお話しくださった。
和やかな句会のひとときは、楽しく過ぎていった。
台風の日の句会にもご参加くださるご熱心ぶりだった。
三笠宮さまが館長を務められる、三鷹の中近東文化センターで、桜の吟行俳句会を催してもくださった。
百合子さまから、和菓子を賜り、センターをかこむ桜が満開の句座で桜尽くしの俳句会は、この上なかった。
句会の前にそれぞれ、近くのICUのキャンパスの桜をめぐる吟行をした。
早くも、桜が舞い始めていた。
一陣の風に大樹の桜が降りしきるそのなかに、三笠宮さまが佇まれていらっしゃるお姿を遠くより拝見した。
らんらんの櫻の雪を殿下かな 里美
(『家族』)
ふりしきる花の光やアラベスク 里美
(『家族』)
三笠宮さま、妙なる素敵なお時間を賜りまして、心より御礼を申し上げます。
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