『未来へつなぐ想い わたしたちの大磯の歴史』

この書籍は、風光明媚な大磯のゆたかな歴史や文化を、解説、エッセイ、写真をふんだんに使い、つぶさに紹介されている豪華版。

さながら大磯の百科事典のようにずっしりと美しい本です。

この本は、大磯町が発行し、大磯町の学生たちに配布されます。

この本の購入希望者が、配布前から殺到し、

大磯城山公園内の大磯郷土資料館で販売されるそうです。

 

 

わたしは「鴫立庵まで」というエッセイを寄稿しました。

ご存じのように、鴫立庵は三大俳諧道場のひとつ。茅葺き屋根の趣深いお座敷とたくさんの句碑がお庭にあります。

大磯の鴫立庵を訪ね、わたしは、いろいろな気づきに恵まれました。

   

 

京都新聞 俳句はいま 2021.2.8

神野紗希氏による『森の螢』のご鑑賞文が、京都新聞に掲載されていた。

奈良の句友から、お知らせいただいた。

神野氏は、『森の螢』を「世界と交歓する祝祭」という視点から鮮やかに論じられていた。

名取里美は第四句集『森の螢』で、社会、世界、私のトライアングルを組み上げた。(中略)                               〈ふりしぼる終の光を青螢〉〈奥へ奥へ闇ひらきゆく螢かな〉。現れては消える蛍は「コロナ禍に右往左往する間も、森の営みは変わらず、厳かにつづいている」(あとがき)ことの象徴であり、闇を負う世界の使者だ。<亡魂の螢の森となりにけり><みづうみへふぶく櫻となりたしや>、私もいつか蛍や櫻となりゆく。一個の生を超えた時空を、透徹する美意識が練り上げた。

神野氏の文章を一部抜粋させていただいた。

ありがとうございます、紗希さま!

神野氏も昨年、『すみれそよぐ』という第三句集を刊行。

すみれそよぐ生後0日目の寝息     紗希

妊娠、出産、子育ての難事のなかに、あたらしい鋭さで詩をすくいとった作品群のエネルギーがまぶしい。

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『幼なじみ』浅井敏子句集

この句集は、「藍生」の仲間の浅井敏子さまの第一句集です。
句集名は、『幼なじみ』。
浅井様ご夫妻は、なんと小学一年生の同級生なのです。今もなかよしご夫婦です。

句集の帯にある作品です。

  のどけしや地球の上に佇つをんな  敏子

この作品に対して、黒田杏子先生は、

地球の上に佇つをんな即ち作者である浅井さんでしょう。こんな句を詠む女性はめったにいません。しかし、考えてみますと、この句に作者浅井敏子の本質が出ているのだという感じもしてきます。素直かつのびやかな人柄であることが分かります。

と序文で述べています。

熊本地震の続く今、この作品をあらためて読むと、感慨深くなります。
地球の揺るぎないことが、どんなにありがたいことであるか・・・
浅井さまは、ご自身のお母さまを震災でなくされておられるそうです。
そのお悲しみの〈地球の上〉なのかもしれません。

   道問へば立ちて秩父の草取女   敏子
   千歳飴りすの横切る裏通り
   まなこ閉ぢゐる鳩もゐて冬はじめ
 
爽やかな力作の並ぶ『幼なじみ』(ふらんす堂)。
私は「メルヘンと孤愁」という跋文を書かせていただきました。   

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