お近くの桜は、ひらきましたでしょうか。
今日は、静岡県沼津市の大中寺をご紹介いたします。
立派な門です。
どきどきとこの門を初めてくぐったのは、かれこれ16年前です。
駿河梅花文学大賞の授賞式だったのです。
その日、私は慣れない着物を着て、沼津の駅に降りたったとき、見知らぬ方に呼び止められました。
「裾がほつれています。直してあげましょう」
驚き焦る私!
洋裁店を営むその女性は、親切に駅前のお店で縫ってくださいました。
そして、私はこの門に到着したのでした。

大中寺の広い境内に、駿河梅花文学賞の碑があります。
賞の選者の先生方の作品とお名前が彫られています。
天上に旅立たれた先生もおられます。
おひとりおひとりにいただいたお言葉が今も心に響きます。
駿河梅花文学賞大賞の受賞者名も彫ってくださいました。
境内の梅林は名花ぞろいです。
本堂には、眞鍋呉夫先生の作品の書が飾られています。
那珂太郎先生の作品も。
恥ずかしながら、私が大中寺の住職の下山光悦さまの母上を詠んだ句も飾ってくださっています。奥のお座敷にある、著名な文学者直筆の作品の格天井は見上げてうっとりいたします。
梅ひらく母晩年のにぎりめし 里美
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